みなさんが思い描く「家族のカタチ」とはどんなものでしょうか?

きっとそれぞれが思い描く、まったく違った家族のカタチがあることだと思います。
でも、いったいどれだけの人が思い描いた家族のカタチを叶えることができているでしょうか。
とりわけ、「理想の子どもの人数」という観点で見ると、いっそうその疑問は膨らみます。

胸の内で抱いていたはずの「家族のカタチ」や「理想の子どもの人数」を、やむを得ない理由から断念している人が少なくないようなのです。
そこで私たちは、2人以上子どもを育てている家庭の特徴や出産・育児、生活の考え方をよく調べてみることにしました。

このシリーズでは、私たちが調べたそれぞれの「家族のカタチ」について、シリーズでご紹介していきます。
第2回目となる今回ご紹介するのは、「「やる気ゼロ」の年下夫をイクメンにするために……」について。

何もしてくれない夫にウンザリ!?

井上家は妻の智美さん(仮名・27歳)、夫(24 歳)、長男(4歳)、次男(3歳)の4人家族。智美さんは専業主婦、夫は会社員として働いています。
小さな頃から結婚に憧れがあったという智美さん。ランチに立ち寄った勤め先近くの和食屋さんで夫と出会い、ひと目で恋に落ちたのだそう。「その場で連絡先を渡したんです。その日のうちに連絡が来て、やった! みたいな」。2人はすぐにつき合うことになり、3ヵ月後には長男を授かり、結婚することになりました。
20歳で父親となった夫でしたが、はじめはまったく子育てを手伝おうという素振りがなかったと智美さんは振り返ります。
「長男は夜泣きがひどくて、ちょっとでもふとんに寝かせようとすると、火がついたように泣きつづけて……私もほとんど眠れなくて、必死にあやしていても、夫はガバッとふとんをかぶって寝てしまうんです。ご飯中に泣いていても、まるで人ごとみたいに『どうしたんだろうね、泣いてるよ』って報告するだけで。仕事が大変なのもわかっていましたけど、『どうして何もしてくれないの?』って何度もケンカしていました」

『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか?』
ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト
書籍の詳細を見る

“察してほしい”は諦めて、言葉できちんと伝える

はじめての育児に大変さを感じながらも、周りの友人たちにも2人目、3人目を育てている人が多く、2人目に躊躇はなかったという智美さん。ほどなく次男を妊娠。
けれども途端に不安におそわれたといいます。
「まだ長男にも手がかかっていましたし、夫は育児を手伝ってくれない……このままではダメだと思ったんです」。智美さんはある行動に出ます。それは夫に「やってほしいことを明確に伝える」ことでした。

「『察してほしい』っていうのはムリなんだとわかったんです。口に出して言わないとわからないんだなって。だから、『ちゃんとお願いしたことはやってね』という約束をしました」

夫も長時間労働があたりまえだった職場から転職。20時には帰宅できる環境を選んだことで、子どもとの関わり方も少しずつ変わっていったのだそう。

「夜泣きにも対処してくれるようになりましたし、夫もちゃんと次男を抱っこしてミルクを与えるようになりました。そうすると次男もなつくんですよね」
子どもがなつくことで、夫のモチベーションはさらに上がるという好循環に。今では長男と次男も大きくなり、夫も率先して子どもたちと一緒に遊ぶようになりました。

「本当はもうちょっと手伝ってほしいけど、何かしてくれたら『ありがとう』って、なるべく感謝の気持ちを伝えています」。最近では近くの一時預かりサービスを利用して、2人だけでデートすることも。「実はもうすぐ3人目が生まれるんです。
安心して預けられる場所を見つけたので、『今のうちに2人だけの時間も楽しんでおこう』って話し合っているんです」