今回は妊活中の皆さんにとって、とても重要なホルモン測定キットが発売されたので、お話しします。
皆さんは、ご自分の持っている卵子がどのくらいなのか?知りたいでしょう。
今回、病院に行かず持っている卵子の数がわかるキットが発売されました。
卵子の数を推定できるアンチミューラリアンホルモン(AMH)を測定するキットです。
以前は病院やクリニックに行って検査する必要が有りました。それはこの測定のために2~3mlの採血が必要だったからです。
しかし、今回、「Fcheck」というキットが発売になり、自宅で自己採血し、郵送し、約10日後にスマホで結果を閲覧することができるようになりました。

なぜこのことが可能になったかというと、この検査に必要な採血量が0.1mlと自己採血できる量で結果が出せることが可能になったからです。以前は採血量が少ないと測定結果が正確に出せませんでしたが、この「Fcheck」は0.1mlでも正確に測定することができる技術を開発したからです。

AMHとは?

以前もこのコラムで取り上げたので、AMHについてはよくご存じのことと思いますが、少しおさらいします。
AMHは卵子を囲んでいる顆粒膜細胞から産生されるホルモンで、持っている卵子の数に比例して変動すると言われています。卵子の数が多いとAMHは高い値、卵子の数が少ないと低い値になります。

この値が低い人は、保有する卵子の数が少ないために、早めに月経不順や無排卵になる可能性があるので、将来妊娠を計画している方であれば、妊娠出産を早めの時期に、計画された方がよいことになります。また、高めの値だと、少し安心ですが、極端に高くなると、卵子の数はたくさん持っているのですが、排卵しにくい状態になる人がいます。

すなわち、AMHの値がかなり高く、かつ、月経が不順、または月経が来ない方は、多嚢胞性卵巣症候群の可能性があります。この症状がある人で妊娠を考えておられるならば、排卵させるための薬が必要になることが多くなりますので、早めに病院で検査をしてみることを勧めています。

Fcheckで分かること

図をみてください。この図のように、以前、病院に行って採血していた通常法とこのキットを用いて採血したF check法で測定したAMH値の相関関係を示しています。

相関係数、0.986ととても良い相関しており、F check法を用いても遜色なく正確なAMH値が得られることがわかります。
また、その数値を知るとともに、このキットのマイページには、妊活サポートとして、様々なコンテンツやサービスなどの情報が提供されているので、ご自分の状況の判断や次のステップに行くための助けとなります。また、以前にAMHを測定された方でも、3年ぐらいするとその値は下がります。
もし、その間に卵巣に影響を及ぼす何らかの病気になった人だとなおさらです。以前の測定が3年以上前であったら、現在の状態を把握するために、再度測定するのも良いことです。

将来、妊娠を考えている方へ

 皆さんの中には、仕事が忙しく、なかなか病院やクリニックに行ってAMH検査をできない方もおられると思います。
また、妊活を始めたばかりだけど、このままいつまで自分たちでタイミングをとっていればよいか、不安を覚える方もおられると思います。
そのような状況の人にとっては、とても利用価値が高いキットです。AMHは将来妊娠を考えておられる人が現在の自分の体の妊娠力の一つの指標として知っておくべきホルモンであり、特に今はキャリアを積むことが優先と考えている方にとっては、なおさら知っておくべき大事なホルモンです。

現在のご自分の体の状況を先に知ったうえで、今後、どのようにすべきか、ご自分のライフプランに生かしていただけると、より良いライフプランが描けると思います。