お悩み相談室 ワンモアベイビーカフェ

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Q夫と教育問題について相違があり悩んでいます

夫は2歳上、裕福ではなかったものの自然豊かな環境でのびのび育ち、勉強も机に向かってきちんとやったことはほとんどなく、それでも小・中・高と問題なく公立の学校に進み、借金をして留学をして自由にやってきたタイプです。 私は、都市部に住まいがあり、小学校から塾や習い事に通い、中学から私立学校に通い似たような環境の子どもと一緒に過ごしてきました。やりたいことは概ね親にやらせてもらえました。 そんな私たちの間に子どもを授かることができ、東京で住まいを構え、子どもは現在9歳になります。私は、ありがたいことに現在は経済的問題も少ないため、様々な環境が整った中学校に通わせるため中学受験を考えたいと思っているのですが、夫はそれを許しません。理由は、「受験戦争なんて碌なものじゃない。何も考えられない子どもになるだけ。そんなことにお金を注ぎ込むならば、留学とかさせて、世界を見せた方がいい」という内容です。 お互いのバックグラウンドが違うので、自分が経験した経験の方が良いと意見が平行線です。この先解決すると思えません。どうしたらいいでしょうか。
相談者Aさん

A教育問題を話合う時に大切にすべきこと

現在の生活に満足している人は、わが子には自分が歩んできた人生と同じような教育環境を与えたいと考えますし、その中で成功して欲しいと思います。逆に現状に満足していない人は、自分が達成できなかったことを子どもに求め、自らができなかった成功を子どもに達成してもらいたいと思うものです。子どもにどのような教育を与えるかは、両親の現状と期待とによって変化してきます。  現在、中学受験をする子ども達は、小学校4年生頃から進学塾に通いはじめ、通常は家族で夕食を取るべき時間まで塾で勉強しています。6年生までの3年間に塾に約250万円の費用をつぎ込むことになります。少子化のため、中学校や高校への進学は以前よりも容易になっているはずですが、中学受験者数は増加、特に首都圏や関西圏などの大手進学塾が集中する地域では中学受験者割合が増加しています。受験産業が有名大学への進学者数や偏差値などで高校の序列をつけ、受験競争を創出しているようにも見えます。ちなみに大学付属校以外の進学実績の高い高校に進学すると、高校3年次の予備校や模擬試験などで、中学受験と同等かそれ以上の費用がかかります。  有名大学への進学実績が近年急に高まってきているいわゆる「進学校」は、大学受験に有利な科目を早い時期から選定し、それらに重点をおいて教育をおこなっている学校があります。本来ならば中学校や高校では、多くの科目を学び、広範な基礎知識と学力を身につけるように指導要領にもとづいた全科目を学ぶべきところを受験に特化した二、三科目に注力しています。しかし、それでは大学入試を突破することはできても、広範な教養の欠損により、大学や社会に出てから活躍することは難しくなります。それとは対照的に「伝統校」や「名門校」、「付属校」などでは受験に特化せずに基礎教育を重点にしていますので、多くの科目を学ぶことになります。一度でも学んだことのある知識は、その場でわからなくても、後で調べることができますが、学んだことのないことは調べる方法がわからないことがあります。  初等・中等教育では、できるだけ広範な知識を学べる環境を子どもに与えることが、のちの職業選択やその子の人生の大きな影響を与えます。中学受験を選択するのか、高校受験を選ぶのか、あるいは大学入試でがんばるのか、それぞれの段階できるだけ多くのことを学べる学校を選択していくことが、のちの人生での選択肢を広げていくことになります。受験は何度もチャンスがあります。与えられた機会に最大限の努力をすること、そして進学してみたい学校のカリキュラムや校風を調べ、将来の夢をつかむことのできる教育環境を親子で選択していくのが大切だと思います。
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