HPVとは、ヒトパピローマウイルスのこと。性交経験者の半分近くが感染しているともいわれています。
HPVは100種類以上の型がありますが、性感染症として注意すべきなのは、まず、コンジローマの原因であるHPV6または11型です。コンジローマとは性器や肛門など感染した部位にカリフラワー状のイボを作る感染症です。
感染から3週~8カ月程度でイボができ、徐々に数も増えてきます。
コンジローマは自覚症状が少なく小さいうちは見つけにくいので、常に性器を見て徐々に大きくなるイボがあれば泌尿器科または産婦人科に相談しましょう。
また、子宮頸がんの原因ウイルスの中でも、特に16型と18型ががんに発展する可能性が高く、そのスピードも速いといわれています。
ほとんどの人は自分の免疫力でウイルスを抑え込むことができますが、約1割の人は感染が持続し、5~10年という年月を経て、子宮頸がんへ進行していくとされています。
この2つの型が含まれたHPVワクチンが小学校6年生から高校1年生までの女子を対象に公費で受けられる定期接種になっています(令和4年4月より)。なおHPVワクチンの積極的勧奨の差控えにより接種機会を逃した方に対して、公平な機会を確保するために遡って接種できるよう、平成9年度生まれから平成17年度生まれまでの女子に「キャッチアップ接種」の機会が与えられます(令和4年4月から令和7年3月までの3年間)。